Q (305)宮沢賢治と石川啄木の接点を探しているのですが、なかなか見つけ ることができません。直接会ってはいないにしても、賢治が啄木に 興味を抱かなかったはずはないと思うのですが、啄木をどう評価し 、どう認識していたのか。影響を受けたのか受けなかったのか、な どを知る資料はないでしょうか。どなたかご存知の方、教えていた だければ助かります。(田澤淑秋)

A
Date: Wed, 30 Mar 2005   森 義真(もり よしまさ)さん

Date: Fri, 11 Mar 2005   フラドのガコブタさん


Date: Wed, 30 Mar 2005
   森 義真(もり よしまさ)

私の発展途上時期における文芸評論に「賢治の啄木意識」があります。 内容は、「1、はじめに 2、盛岡中学校の露台 3、啄木の賢治意識 4、賢治の短歌形式 5、賢治の短歌表現 6、賢治の啄木意識 7、おわりに」から成っています。
第48回岩手芸術祭県民文芸「文芸評論」部門の奨励賞をいただいており、『県民文芸作品集26』(平成7年12月15日発行、発売元 褐F谷印刷出版部)に掲載されています。
岩手県内の図書館で閲覧できるはずです。もしくは、書店で注文してお求めできると思います。実は、その後の考察を入れて改訂したいと思っておりますが、その機会に恵まれておりません。
とりあえず、今、田澤淑秋さんのご要望に沿えるのは上記のものです。


Date: Fri, 11 Mar 2005
   フラドのガコブタ

賢治自身が直接に啄木について書いた文章や書簡類は、どうもみつかっていないようですが、この問題を早い時期に扱った論考としては、森荘已池氏の書かれた「賢治の短歌」(日本書院版『校注・宮沢賢治歌集』解説、昭和21年)や「歌集巻頭の数首について」(筑摩書房版『宮沢賢治研究』所収、昭和32年)があり、どちらも同氏の『宮沢賢治の肖像』(津軽書房刊、昭和49年)に、若干改稿されて収録されています。主要な事項はそれらにほぼ出尽くしていて、以後この問題をそれ以上に深く(とくに資料的に)論じた研究はまだないと言ってよさそうです。


賢治をめぐるQ&Aへ戻る