ほんとうのさいわい

みんなのほんたうの幸福を求めてなら
私たちはこのまゝこのまっくらな
海に封ぜられても悔いてはいけない。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第1巻『宗谷挽歌』P.273」

 全く全くこの公園林の杉の黒い立派な緑、さはやかな匂い、夏のすゞしい陰、月光色の芝生がこれから何千人の人たちに本当のさいはひが何だかを教へるか数えられませんでした。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第6巻『虔十公園林』P.412」

 「僕もうあんな大きな闇の中だってこはくない。きっとみんなのほんたうのさいはひをさがしに行く。どこまでもどこまでも僕たち一緒に行かう。」
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第7巻『銀河鉄道の夜』P.293」

 世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
 自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
 この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
 新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
 正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
 われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第10巻『農民芸術概論』P.18」


 ほんとうのさいわいが何だかを教える公園林とは? 虔十公園林
 ほんとうのさいわいを求めて、たとえどんな世界でもさがしに行こう。 どこまでも一緒にいこう
 自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する。その「集団社会宇宙」とは? 有機交流電燈