柏の木

 大王は大小とりまぜて十九本の手と、一本の太い脚とをもつて居りました。まはりにはしつかりしたけらいの柏どもが、まじめにたくさんがんばつてゐます。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻『かしはばやしの夜』P.86」

(かしはのなかには鳥の巣がないあんまりがさがさ鳴るためだ)
(中 略)
  やつぱりさうだ        
  月光は柏のをうきたたせ    
  かしははいちめんさらさらと鳴る
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第1巻『風林』P.165」