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賢治ワールドの100体の人形はどのように制作されたのですか?
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宮沢賢治生誕100年を記念した人形制作の注文があって、それまで私は宮沢賢治を よく知らなくて、それで読んだんです。その時に「イギリス海岸」へ行くことになっ て、イギリスのドーバー海峡みたいな所かしらなどと、イメージを膨らませていたん ですけど、行ってみるとごく普通の日本の川なんですね。賢治がなぜイギリス海岸と 名付けたのか考えると、あの時代だから今のように海外にも行けない、でも、賢治は 色々なものを読んだり聞いたりして、西洋に対する憧れがとても強かったと想像した んです。その時、「銀河鉄道」も、西洋の匂いのする名前や場所が多いのに気づいて 。読んでいると、私が小さい時にいた北欧の田舎の景色が本当に鮮やかに蘇ってきて 、まさに、あそこに違いないと思うように、賢治の描写がリアルに感じられて、やっ ぱり賢治は西洋にすごく思いを馳せていたんだなとわかったんです。そこから作品を 作る私の視点、西洋に強い憧れを抱いていた賢治という、他の人とは違う切り口を見 つけることができた気がします。
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賢治をどのような人と思いますか?
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私は、賢治は自己顕示欲ですごく苦しかったんじゃないかなと思うんです。そのもが きが好奇心と重なって、いろんな所へ意識を飛ばしながら、自分の理想を求めていた というか。でも現代人は、諦めちゃうか、ひとつのもので満足しちゃう。賢治のよう にダイナミックに、もがく人が少ない。そういう意味で、作品を作っている時はきれ いごとではなくて、賢治の半分暗いようなドロドロしたような面も作りたいと思って いたんです。
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結城さんの人形は顔がよいと感じる人が多いようですが?
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私の「風の又三郎」には顔がないんです。それは多くの人が持っているイメージを壊さないようにと。「セロ弾きのゴーシュ」も、私のゴーシュは痩せていて、それは、 本当によい音を出したいけど、全然才能がなくて出せない、これ以上やったら死んじ ゃうんじゃないかっていうくらい、突き詰めて音楽をやっているゴーシュを表現したから なんです。
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