たゞくるみのいちばん上の枝がゆれ、となりのぶなの葉がちらつとひかつただけでした。 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻『どんぐりと山猫』P.20」 |
風がどうと吹いてぶなの葉がちらちら光るときなどは虔十はもううれしくてうれしくてひとりでに笑へて仕方ないのを、むりやり大きく口をあき、はあはあ息だけついてごまかしながらいつまでもいつまでもそのぶなの木を見上げて立ってゐるのでした |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第6巻『虔十公園林』P.403」 |
今日は陰気な霧がジメジメふってゐます。木も草もじっと黙り込みました。ぶなの木さへ葉をちらっとも動かしません。 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第5巻『貝の火』P.69」 |
ぶなの木の上を風がどうと吹いている。自然の主が通ったのか? | →風がどうと吹く |