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English 窯 猫 |
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猫の仲間のいじめ![]() |
「よだかの星」のよだかが鳥の仲間のいじめられっ子であるのと同様に、「猫の事務所」の窯猫(かまねこ)も猫の仲間にさげすまれ、いじめられる。 といっても、「猫の事務所」という設定と窯猫の性癖がユーモラスであるため、「よだかの星」の場合のように痛切な調子ではない。猫仲間の愚かないじめを、語り手が批判する語り方になっている点も「よだかの星」と異なる点だ。 |
猫の第六事務所 | 猫の事務所と聞くと何のことかと思うが、なかなか愉快なしろものだ。話の舞台である猫の第六事務所とは、猫の歴史と地理を調べる所だというのだ。 ![]() |
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かまどの中で眠る窯猫 虎猫の窯猫いじめ |
この猫の事務所のメンバーは、事務長が黒猫、一番書記が白猫、二番書記が虎猫、三番書記が三毛猫、そして窯猫が四番書記だった。窯猫というのは、「夜かまどの中にはひつてねむる癖があるために、いつでもからだが煤(すす)できたなく、…何だか狸(たぬき)のやうな猫」なのだ。 それで窯猫は他の書記の猫に嫌われ、意地悪をされる。虎猫が机から落とした昼の弁当を窯猫が気をきかせて拾うと、「机から床の上へ落ちた弁当を君は僕に喰へといふのかい。」と虎猫にすごまれたりする。それでも事務長の黒猫は、間に入ってくれていた。 | |
金色の頭の獅子が事務所の解散を宣言 |
ところが、窯猫が風邪をひいて休んでいる日に、他の書記の猫たちが事務長の黒猫に、窯猫は「何でもこんどは、おれが事務長になるとか云ってるさうだ。」などとあらぬ告げ口をする。 愚かな事務長はそれを信じてしまい、翌日、窯猫が事務所に出てくると、他の猫とともに窯猫を無視して仕事をさせない。昼を過ぎると窯猫はしくしく泣きはじめる。そんなところに金色の頭の獅子(しし)が現れ、「お前たちは何をしてゐるか。そんなことで地理も歴史も要(い)つたはなしでない。」と事務所を解散させてしまう。 語り手も「ぼくは半分獅子に同感です。」と言う。 |
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ちくま文庫「宮沢賢治全集 8〜『猫の事務所』」より
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