Q (17) こんにちは。柳田國男の遠野物語、山の人生を宮沢賢治は読んでいたのでしょうか。賢治は、街の人とはいえ口承の物語を聞いて育ったはずです。そこへひとつの文化的・学問的価値を与えた柳田國男の著作は、少なからずインパクトがあったと思われます。御存じの方、どうか教えてください。 岩波文庫「遠野物語・山の人生」によると 遠野物語の初版が明治43年、増補版が昭和10年 山の人生の初版が大正15年で、 賢治没が昭和8年となってました。(テルテルさんより)
A
Date: Mon, 18 Jan 1999   酔いどれ李白さん


Date: Mon, 18 Jan 1999
   酔いどれ李白

テルテルさん。答えにならないかも知れませんが、私も似たようなことを考えたことがあります。 遠野物語に「座敷わらし」という話があり、賢治の作品には「ざしきぼっこのはなし」というのがありますね。両方とも東北の伝承をもとにしていて、遠野物語は伝承そのままですが、賢治の作品は伝承をもとにして不思議な感覚の短編童話に仕立てています。 自らも東北に住んでいた賢治には、伝承をちょくせつ聞く機会があったでしょうけど、私は遠野物語の影響もあったのではないかと思います。 賢治が遠野物語をまったく知らなければ、彼も「座敷わらし」という言葉をそのまま使ったでしょうけど、わざわざ「ざしきぼっこ」と、ちょっとモダーンな響きの言葉を使ったところに、遠野物語と一線を画そうという賢治の意識があらわれているように思います。


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