Q (173)「どんぐりと山猫」の朗読を「注文の多い料理店」の劇にくっつけて発表します。読み合わせをしていてなぜ、「塩鮭」が出てくるのだろう。「塩鮭」でないと、いけないのだろうか。どんな意味を持つのだろうか。いろいろぎもんを持ちました。何かヒントまたは解答がありましたら教えてください。 (山内 賀要子)

A
Date: Tue, 30 Apr 2002   「宮沢賢治の宇宙」編集委員会


Date: Tue, 30 Apr 2002
   「宮沢賢治の宇宙」編集委員会

お便りをありがとうございます。
山ねこが一郎にお礼は、黄金のどんぐりがいいか塩鮭の頭がいいかと、尋ねるところ ですね。話の流れとしては、「黄金のどんぐり」と較べる相手が何か欲しかったのでしょう。その相手がどうして「塩鮭」になるんだろう、という疑問でしょうか。「塩鮭」でなくてはいけない理由は、とくにないだろうと思います。しかし、「塩鮭」が出てくるのは変だということもないです。
山ねこがお礼の候補にあげるのですから、山ねこの身近にあって関心をもっている ものが適当でしょう。ダムがたくさんできる以前は、イーハトーブの川には鮭が産卵のためにたくさん上がってきた訳ですから、山ねこ(実際はどういう猫を賢治さんは想いうかべているのかはわかりません)は近くの川で鮭をとって食べることができたでしょう。いはば鮭とどんぐり(イーハトーブの森は落葉広葉樹で食べられるどんぐりが多い)は、イーハトーブの代表的な産品と言ってもいいのだと思います。

岩手の食糧としてのドングリについては、編集日誌No.102にちょっと書いてあります。 山ねこがドングリを食べるかどうかわかませんが、熊やイノシシにとっては、大事な食糧です。


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