Q (378)私も質問です。 「永訣の朝」を標準語に直せる人はいませんか? いたら是非、「永訣の朝」を標準語に直してくれませんか? そして標準語バージョンの「永訣の朝」を 返事として書いてください。御願いします。
(卑弥呼)


A
Date: Sat, 24 Feb 2007   苺さん


Date: Sat, 24 Feb 2007
   苺

今日のうちに遠くに行ってしまう私の妹よ
みぞれが降って、表は変に明るいのだ
「雨雪(みぞれのこと)を取ってきてください」
うすあかく(明るく)いっそう陰惨な雲から
みぞれはびちょびちょ降ってくる
「雨雪を取ってきてください」
青い蓴菜の模様のついた
これら二つの欠けた陶椀に
お前が食べる雨雪を取ろうとして
私は曲がった鉄砲玉のように
このくらいみぞれの中に飛び出した
(雨雪をとってきてください)
蒼鉛色の暗い雲から
みぞれはびちょびちょ沈んでくる
ああとし子(妹の名前)
死ぬという今頃になって
私を一生明るくするために
こんなさっぱりした雪の一椀を
おまえは私に頼んだのだ
ありがとう私の健気な妹よ
私もまっすぐに進んでいくあら
(雨雪をとってきてください)
激しい激しい熱やあえぎの間から
おまえは私に頼んだのだ
銀河や太陽 気圏などと呼ばれた世界の
空から落ちた最後の一椀を・・・
・・・二切れの御影石材に
みぞれは寂しくたまっている
私はその上に危なく立ち
雪と水の真っ白な二相系を保ち
透き通るほど冷たい雫に満ちた
このつややかな松の枝から
私の優しい妹の
最後の食べ物をもらっていこう
私たちが一緒に育ってきた間
見慣れた茶碗のこの藍の模様にも
もう今日お前は別れてしまう
(私は私で、一人であの世へ行きます)
《敢えてローマサ「派週C垢襪海箸如△海慮斥佞鯤垢い申峇峙楝カ[Cショック、ヌ、ケ、ー、ヒ、マクタヘユ、ホーユフ」、鰺Q鬚任C此⊆C影「譴蕕譴覆C辰燭海箸鮗┐后
本当に今日お前は別れてしまう
あああの閉ざされた病室の
暗い屏風や蚊帳《病室のベッドとベッドの仕切り》の中に
やさしく青白く燃えている
わたくしの健気な妹よ
この雪はどこを選ぼうにも
あんまりどこも真っ白なのだ
あんな恐ろしい乱れた空から
この美しい雪が来たのだ
(再び生まれ変わることがあったとしても、今度はこんなに自分の事ばかりで苦しまないように生まれてきます)
お前が食べるこの二椀の雪に
私は今心から祈る
どうかこれが兜率の天の食に変わって
やがてお前とみんなとに
聖(きよ)い資糧(かて)をもたらすことを
私のすべての幸いをかけて願う

となります。一応手元にある資料を元に書いたので、間違いはないと思いますが・・・
わかりやすいかと思って、勝手に漢字表記に変えてしまったのですが、元の文章はひらがなが多く使われています。詳しいことはよくわからないけど、もし平仮名を使うことに宮沢賢治の意図が何かあったのだとしたら、ごめんなさい;;

苺さま 赤字の部分をもう一度送っていただけますか。半角記号をカギカッコなどに置き換えて下さると、文字化けしないと思います。


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