Q
(69) 今、高校の国語の授業で宮沢賢治についての調べ学習をしています。 私の班のテーマは「自己犠牲」です。宮沢賢治の作品の中で「これは自己犠牲ではないか?」という部分がありましたら、是非その作品名を教えて下さい。また、宮沢賢治の人生の中でも何かあったら教えて下さい。(泣いた赤鬼)
A
Date: Fri, 21 Jul 2000 シンジュさん
Date: Sun, 2 Jul 2000 そうわあやのさん
Date: Mon, 22 May 2000 三柴さん
Date: Fri, 21 Jul 2000 シンジュ
よだかの星も、自己犠牲の話の範疇に入ると思います。
よだかは自分が他の命(この場合虫なのですが)を奪うことに耐えられずに星
になります。
自分を犠牲にすることで、この先食べることになるであろう虫たちを助けたの
だという解釈はできないでしょうか。
私は基本的にあの話をハッピーエンドだとは思っていません。よだかは確かに
星になって殺業からは逃れられたかもしれません。けれど鷹に殺すと言われて虫
を殺していた自分を発見したように、彼はまた星たちの心ない言葉で己の業に気
付き苦悩するのではないかと思うのです(星たちは決して人格者ではありません
でしたから)。そして、星になったよだかには、鳥でいたときに比べその寿命は
とても長いもの。苦しみもまた多いものであるはず。よだかの苦しみは結局、お
わりがないのだと私は思います。
よだかの行動のなかには(殺業から逃れたいと願う自分のためという思いもあ
ったでしょうが)他の命を殺める存在である自分をこの世から消したという自己
犠牲があり、この話は生きて行く中ではどうあがいても業からは逃れられないと
いう話だと思っています。
途中で話が横にそれましたので、あまりご参考にならないかもしれませんが、
目を通してくだされば嬉しいです。
Date: Sun, 2 Jul 2000 そうわあやの
銀河鉄道のよるの中のジョバンニの独白のなかにあります。賢治さんは農民達の生活向上について大変な努力をして、疲れから病気を患い、なくなったのです。
Date: Mon, 22 May 2000 三柴
「泣いた赤鬼」様へ。「賢治の作品中に見られる自己犠牲」といいますと、一般に真っ先に挙げられるのは、『グスコーブドリの伝記』の結末ではないかと思います。これはメジャーな作品ですから、色々な人が評していますので、とっかかりにするにはよいかと思います。なお、おせっかいながら、一言御注進。調査をまとめる時に、「自己犠牲」=いいこと、「自己犠牲をし、それを作品のテーマにする賢治」=聖人、という切り口にしたらつまらないですよ。賢治の自己犠牲は、ちょっと狂信的ですらあります(実際彼はかなり強烈な法華宗の信徒です)。そのあたりもつついてみると面白いんじゃないかと思いますよ。ではがんばって下さいね。
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