Q (85)はじめまして、こんにちは。本神ともうします。 私の学校で国語を教えていらっしゃる先生が花巻出身で宮沢賢治さんの 後輩にあたる方だそうで宮沢賢治さんを研究しています。 そこでレポートとして私に出されたのですが、難しくてどうにもなりません。ネットで調べてようやくこのような掲示板を見つけることができました。みなさんの知恵を貸してください。お願いします。 「宮沢賢治にとって妹トシとはなんだったのか。」 というのが問題です。(本神 沙也香)
A
Date: Tue, 27 Jun 2000   宮下 賢さん


Date: Tue, 27 Jun 2000
   宮下 賢

賢治にとってトシはよき理解者としての妹と言うよりも、一種の動物的な感情、つまり人間で言えば愛情から恋情にも似たものがあったのではないかと思います。トシがかつて入院していたときに看護婦の手をいっさい借りずに、下の世話まで一人で担当したというエピソードをみても一種の近親的感情が伺われます。トシと接していて賢治は「こういう女性と結婚したい」から「トシと一緒であれば結婚は度外視する」と変わっていったのではないでしょうか。賢治が生涯にわたって結婚のチャンスがあったにもかかわらずそれを手中に収めずに童貞を貫いたのも、大きくトシの存在が関わっていたと思います。結論として、トシは賢治にとって同志を越えた恋情の中の女性といえるでしょう。


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