松の木

 獅子鼻の上の松林は、もちろんもちろん、まっ黒でしたが、それでも林の中に入って行きますと、その脚の長い松の木の高い梢が、一本一本空の天の川や、星座にすかし出されて見えてゐました。
 松かさだか鳥だかわからない黒いものがたくさんその梢にとまってゐるやうでした。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第5巻『二十六夜』P.434」


 まっ黒な松林にはふくろうが住みついている?