なめとこ山

 なめとこ山は大きな山だ。淵沢川はなめとこ山から出て来る。なめとこ山は一年のうちたいていの日はつめたい霧か雲かを吸ったり吐いたりしてゐる。まはりもみんな青黒いなまこや海坊主のやうな山だ。山のなかごろに大きな洞穴ががらんとあいてゐる。そこから淵沢川がいきなり三百尺ぐらゐの滝になってひのきやいたやのしげみの中をごうと落ちて来る。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第7巻『なめとこ山の熊』P.58」


 そんななめとこ山には、熊が多く暮らしている。
 なめとこ山の滝の名は何というのか?