ひのき

 そのひなげしのうしろの方で、やっぱり風に髪もからだも、いちめんもまれて立ちながら若いひのきが云ひました。

 その時風がザァッとやって来ました。ひのきが高く叫びました。

ちくま文庫「宮沢賢治全集 第7巻『ひのきとひなげし』P.354」

 又向ふの、黒いひのきの森の中のあき地に山男が居ます。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第6巻『おきなぐさ』P.18」

 山男は、金いろの眼を皿のやうにし、せなかをかがめて、にしね山のひのき林のなかを、兎をねらつてあるいてゐました。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻『山男の四月』P.72」


 ひのきの森には、山男が住む? 山 男