「おぢいさん、山男は山で何をしてゐるのだらう。」 「さうさ、木の枝で狐わなをこさへたりしてるさうだ。かういふ太い木を一本、ずうっと曲げて、それをもう一本の枝でやっと押へて置いて、その先へ魚などぶら下げて、狐だの熊だの取りに来ると、枝にあたってばちんとはねかへってころすやうにしかけたりしてゐるさうだ。」 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第6巻『祭の晩』P.417」 |
そしてここまで来てみると、おれはまもなく町へ行く。町へはひつて行くとすれば、化けないとなぐり殺される。 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻 『山男の四月』P.73」 |
それどころではなく、まんなかには、黄金色の目をした、顔のまっかな山男が、あぐらをかいて座つてゐました。そしてみんなを見ると、大きな口をあけてバアと云ひました。 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻『狼森と笊森、盗森』P.35」 |
山男は、金いろの眼を皿のやうにし、せなかをかがめて、にしね山のひのき林のなかを、兎をねらってあるいてゐました。 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻『山男の四月』P.72」 |
亮二は薪をよく見ようとして、一足そっちへ進みましたが、忽ち何かに滑ってころびました。見るとそこらいちめん、きらきらきらきらする栗の実でした。亮二は起きあがって叫びました。「おぢいさん、山男は栗も持ってきたよ。」 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第6巻『祭の晩』P.418」 |
山男は、ひのきの森に住んでいるのか? | →ひのき |
山の住人である山男からの最高の贈り物とは? | →黄金のどんぐり |
山男と人とをつないでいるものは? | →団 子 |