栗の木

 すきとほつた風がざあつと吹くと、栗の木はばらばらと実をおとしました。一郎は栗の木をみあげて、「栗の木、栗の木、やまねこがここを通らなかつたかい。」とききました。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻『どんぐりと山猫』P.18」

 又三郎の肩には栗の木の影が青く落ちてゐます。又三郎の影はまた青く草に落ちてゐます。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第7巻『風の又三郎』P.326」

 栗の木なんて、まるで煙突のやうなものでした。十間置き位に、小さな電燈がついて、小さな小さなはしご段がまはりの壁にそって、どこまでも上の方に、のぼって行くのでした。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第5巻 『さるのこしかけ』P.95」


 栗の木と又三郎、種山が原の関係は?栗の木をずっと登って行くと、「種山ヶ原」にたどりつく。(『さるのこしかけ』より) 種山ヶ原
 そして「種山ヶ原」は『風の又三郎』の舞台でもあった。 又三郎