それはそんなに大きくはありませんでしたが幹はてかてか黒く光り、枝は美しく伸びて、五月には白い花を雲のやうにつけ、秋は黄金や紅やいろいろの葉を降らせました。 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第6巻『土神ときつね』P.109」 |
本当に土神は樺の木のことを考えるとなぜか胸がどきっとするのでした。そして大へんに切なかったのです。このごろは大へんに心持が変ってよくなってゐたのです。ですからなるべく狐のことなど樺の木のことなど考えたくないと思ったのでしたがどうしてもそれがおもへて仕方ありませんでした。 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第6巻『土神ときつね』P.119」 |
樺の木を愛する土神とは何者か?さらに土神のライバル、狐とは? | →土神/狐 |