「あ、あすこ石炭袋だよ。そらの孔だよ。」カムパネルラが少しそっちを避けるやうにしながら天の川のひととこを指さしました。ジョバンニはそっちを見てまるでぎくっとしてしまひました。天の川の一とこに大きなまっくらな孔がどほんとあいてゐるのです。その底がどれほど深いかその奥に何があるかいくら眼をこすってのぞいてもなんにも見えずたゞ眼がしんしんと痛むのでした。 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第7巻『銀河鉄道の夜』P.292」 |
似た空間が他にもある。 | →暗く巨きな木立 |
眼がしんしん痛むほどの暗やみのまわりは、きらきらと眩しいほどの天の川がある。 | →天の川 |