黄金のどんぐり

 亮二は薪をよく見ようとして、一足そっちへ進みましたが、忽ち何かに滑ってころびました。見るとそこらいちめん、きらきらきらきらする栗の実でした。亮二は起きあがって叫びました。「おぢいさん、山男は栗も持ってきたよ。」
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第6巻 『祭の晩』P.418」

 「それでは、文句はいままでのとほりにしませう。そこで今日のお礼ですが、あなたは黄金のどんぐり一升と、塩鮭のあたまと、どつちをおすきですか。」
 「黄金のどんぐりがすきです。」
(中 略)
 馬車が進にしたがつて、どんぐりはだんだん光がうすくなつて、まもなく馬車がとまつたときは、あたりまへの茶いろのどんぐりに変つてゐました。
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第8巻 『どんぐりと山猫』P.27」


 黄金のどんぐりは山の住人からの最高の贈り物 山 男山猫と別当
 黄金のどんぐりと似た働きをもつものがある 団 子