そごとごとごとごと汽車はきらびやかな燐光の川の岸を進みました。向ふの方の窓を見ると、野原はまるで幻燈のやうでした。
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ちくま文庫「宮沢賢治全集 第7巻 『銀河鉄道の夜』P.274」 |
奇麗なすきとほった風がやって参りました。まづ向ふのポプラをひるがへし、青の燕麦に波をたてそれから丘にのぼって来ました。
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ちくま文庫「宮沢賢治全集 第6巻『おきなぐさ』P.21」 |
サガレンの八月のすきとほつた空気をやうやく葡萄の果汁のやうにまたフレップスのやうに甘くはつかうさせるのだ。 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第1巻『樺太鉄道』P.199」 |
こんどは風が みんなのがやがやしたはなし声にきこえ うしろの遠い山の下からは 好摩の冬の青そらから落ちてきたやうな すきとほつた大きなせきばらひがする これはサガレンの古くからの誰かだ |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第1巻『鈴谷平原』P.204」 |
あのイーハトーヴォのすきとほった風、夏でも底 に冷たさをもつ青いそら、 |
ちくま文庫「宮沢賢治全集 第7巻『ポラーノの広場』P.155」 |
サガレン(樺太)にはすきとおった風・空気が舞っている。そして、うずのしゅげはすきとおった風と共に「北・天の方」へ行く。北には何があるのか? | →青 |
すきとおった風を通して、イーハトーヴォ、サガレンそして銀河を重ね合わせてみているのでは? | →イーハトーヴォ /空の野原 |
「風」と一言で言ってもいろいろな性格をもっている。では「すきとおった風」の他にどんなものがあるのか? | →風がどうと吹く /風のきれぎれの物語 |