メソリンガムモデルは、公式(5)におけるP(k)を一定の仮定の下に導く。 その仮説は ・視聴確率rであるグループの大きさはrについてのベータ分布 β(r)で与えられる。 ・P(k)はで算出される。 公式(6) 〈証明〉 Q.E.D. メソリンガムモデルによるフリークエンシーディストリビューションの算出はデータからl,mを定めP(k)を算出し、これを公式(5)に代入し、更に公式(2)を用いてf(i)を求めるという手順から構成されています。
上記算出手順はかなり複雑であり、特に公式(5)の計算はめんどうです。しかし、これは到達率算出の一般公式を求いて点にその根本的な理由があります。メソリンガムモデルの仮説そのものから直接に求める簡略式を導くことが可能です。そのために仮説を次のように言い変えます。 ・視聴確率rであるグループの大きさはrについてのベータ分析 β(r)で与えられる。(これは先と同じ) ・特定のrをとる時、そのグループにおける視聴回数の分布は二項分布 である。 この仮説から導く時全体の視聴回数の分布は 公式(7) 〈証明〉 Q.E.D. この公式が先の公式と同値であることはその論理構成から当然ではあ りますが、一応平均重複視聴率P*kが一致することを確かめておきます。 (P*kさえ一致すれば、フリークエンシーディストリビューション全体 が一致することは既に見たところから明らかです。) 公式(1)により 一方 故に 公式(8) 〈証明〉f*(0)は公式(7)でi=0を入れれば直ちに得られる。また、第二の 式は、 より明らか。 従ってこの場合の計算手順は、l,mをデータから定めることができさ えすれば、f*(0)からスタートして順次公式(8)の第2式を用いて直接フ リークエンシーディストリビューションを算出するという形に簡略化さ れる。