教師としての賢治

 賢治は1921年から26年の間、花巻農学校で教職についている。賢治は生徒から見ると、風変わりな教師であるとともに、実地の経験を通じて生徒たちの知的関心を育てようとする点では恐ろしく熱心な教師であった。「イギリス海岸」などに描かれているように、生徒たちと実習に出かけるだけでなく、山歩きなどにもよく生徒を連れてでかけた。学校で生徒たちに自作の演劇を演じさせたりもしている。
 「学校には入らないで勉強するしかたを教える」という「グスコーブドリの伝記」のクーボー博士は賢治があってほしいと願っていた教師像であると思われる。

賢治作品のユーモア
賢治作品のリズム
星や風、生き物からの
贈り物としての詩、物語
科学と詩の出会い
科学と詩の出会い・2
心のたしかな出来事
としてのファンタジー
異質の者に対して
開かれた心
子供から大人への
過渡期の文学
作品の多義性、重層性
作品における
倫理的な探究
エコロジスト的な探究
教師としての賢治
社会改革者としての賢治

宮沢賢治とは誰か  宮沢賢治の宇宙